自動車は相続税の対象であるため、自動車が相続財産に含まれる場合には、その評価額を算出する必要があります。
自動車は相続税においては「一般動産」として、原則、売買実例価格や精通者意見価格等を参考にして評価額を算出します。しかし、相続した自動車の価格が不明な場合、同じ車種や型式などの小売価格を参考にして、減価償却費を減算し評価額を算出することになります。
償却費の計算方法
減価償却とは、資産と収益の関係の矛盾を防ぐため、資産の購入にかかる費用を分割して計上する会計処理のことです。一般動産の償却費は、毎年一定の割合で償却額を算出する定率法に従って算出します。
はじめに相続した自動車の法定耐用年数を確認し、国税庁による「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の減価償却率表から、法定耐用年数に応じた償却率を確認します。
自動車の法定耐用年数につきましては、その自動車が普通自動車か軽自動車か、新車か中古か、によって変動します。
軽自動車の法定耐用年数
- 新車の場合:4年
- 中古車の場合:2年
普通自動車の法定耐用年数
- 新車の場合:6年
中古車の場合、6年経過していれば法定耐用年数は2年、6年を経過していない場合は以下の計算式を適用し算出します。なお、1年未満は切捨てします。
(新車購入時の耐用年数-経過年数)+経過年数×20%
ここでは、200万円の普通自動車を新車で購入した場合の減価償却費を例に計算します。
新車の普通自動車の法定耐用年数は6年のため、減価償却率表より、償却率は0.333です。
- 減価償却費=2,000,000×0.333=666,000円
- 相続税評価額は、自動車の価格から減価償却費を減額しますので、
- 相続税評価額=2,000,000円-666,000円=1,334,000円です。
耐用年数(年) | 平成24年4月1日以後取得 | ||
---|---|---|---|
定率法の償却率 | 改定償却率 | 保障率 | |
2 | 1.000 | – | – |
3 | 0.667 | 1.000 | 0.11089 |
4 | 0.500 | 1.000 | 0.12499 |
5 | 0.400 | 0.500 | 0.10800 |
6 | 0.333 | 0.334 | 0.09911 |
7 | 0.286 | 0.334 | 0.08680 |
8 | 0.250 | 0.334 | 0.07909 |
9 | 0.222 | 0.250 | 0.07126 |
10 | 0.200 | 0.250 | 0.06552 |
11 | 0.182 | 0.200 | 0.05992 |
12 | 0.167 | 0.200 | 0.05566 |
13 | 0.154 | 0.167 | 0.05180 |
14 | 0.143 | 0.167 | 0.04854 |
15 | 0.133 | 0.143 | 0.04565 |
16 | 0.125 | 0.143 | 0.04294 |
17 | 0.118 | 0.125 | 0.04038 |
18 | 0.111 | 0.112 | 0.03884 |
19 | 0.105 | 0.112 | 0.03693 |
20 | 0.100 | 0.112 | 0.03486 |
21 | 0.095 | 0.100 | 0.03335 |
(国税庁:附則別表 経過年数表 引用)
相続税の節税対策
先述の200万円の普通自動車を新車で購入した例では、自動車の相続税評価額が約133万円でした。200万円を現金で所持していると、相続税の評価額はそのまま200万円になることから、自動車の購入は相続税の節税対策として有効です。
さらに減価償却率表の通り、耐用年数が短いほど償却率が上がります。つまり新車よりも中古車の方が減価償却費は高くなり、相続税額が抑えられます。
相続税における自動車の評価について、その他ご不明な点がある場合はぜひ姫路相続税申告相談センターまでご相談ください。
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